結晶釉磁器のご紹介
陶磁器は釉薬(ゆうやく)の種類によって白磁(はくじ)、青磁(せいじ)、粉青沙器(ふんせいさき)、辰沙(じんさ)、天目釉(てんもくゆう)と分かれますが、結晶釉磁器(けんしょうゆうじき)も陶磁器の一種です。作品の表面に集まった結晶体が織り成すさまざなな形の模様や色が、まるで宝石のように美しいために昔から「釉薬の女王」と呼ばれました。
いろんな形の結晶像と多彩な色は、①特殊な釉薬の組合②施釉方法③焼成の変化を通じて得られるもので、絶え間ない実験と研究、努力の産物です。韓国陶磁器の正体性を三つにまとめると、形態美、色彩美、装飾美と言えますが、私の結晶釉磁器は伝統美を踏まえた形態美と花の色とも比肩できる色彩美、結晶像の多様性(円形像、扇像、葉像、梅花像、霜柱像、松葉像など)を表現していて、その自然な美しさは不思議で、奥深いものがあります。どの陶磁器もつくりあげるまでに大変な能力を必要としますが、本当のきれいな結晶釉磁器は自然の恵みがなければつくることすらできません。
一般的に土で形を整えて絵付けし、釉薬を塗ってから窯(かま)に入れて焼けば、優劣の差はあるにしろ、とりあえず陶磁器をつくることはできます。しかし、熟練した陶芸職人の作業と自負するものの、心から満足のいく結晶釉磁器作品はほんの少しです。意外性というか、揺変性が大きいということでしょう。このことは結晶釉磁器が収集の対象となる訳でもあります。
結晶釉磁器の鑑賞ポイントは三つです。一つ目としてまず、結晶像の美しさをみてください。像そのままの美しさはもちろん、その像の配置状態、像と余白の調和も目にとめてください。二つ目は色の美しさです。像の色と色の変化が鑑賞のポイントです。背景色とのバンランスも見逃さないでください。三つ目は陶器の形態美です。結晶像と陶器、色と陶器との調和に注目してください。色と一般的でない像の特殊さは、特に重要な鑑賞のポイントです。
結晶釉は中国の明時代(1368ー1644)に初めてつくられたと言われていますが、そのずっと前の唐時代(618ー907)に斑点(oil spot)のある状態の微細結晶釉があり、 宋時代(960ー1279)時代に建窯(けんよう)でつくられた曜変天目釉(ようへんてんもくゆう)は結晶釉のなかでも最高とも言えるものなので、結晶釉の歴史はずっと昔からであったことが分かります。大きい結晶像をつくる結晶釉は1850年ごろからヨーロッパの多数の磁器研究所でつくられはじめました。現在は結晶像の大きさはともかく、さまざまな模様の結晶像と言葉にならないほどの美しい色の結晶釉磁器がつくられています。